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熟年離婚 夫婦

お互いもうすぐ還暦を迎える頃に、一度離婚しようかと話が上がったことがある。お互い不満はなかったのだが私は何となく離婚したくなったのだ。供に働いて、子供はいなかったけれどそれなりに楽しくやっていた。だがやはり何となく離婚の2文字が浮かんだのである。妻は最初驚いたが離婚に応じるという。
だが条件があった。1か月別々に暮らしてみてそれから離婚届を二人で取りに行こうというのだ。私はそれに応じた。どこに住むかは聞かないでくれと言ったので聞かなかった。生活費も必要ないという。だから気兼ねなく1か月それぞれ生活しようという事だった。結果から言おう。3週間目でギブアップした。
妻の携帯に電話したらその日のうちに帰ってきた。どうか許してほしいと謝ったところ妻は指輪を買ってくれれば許すという。値段なんかどうでもいいと思い好きなものを選ぶように言った。サイズが分らなかった為、妻に結婚指輪をはずしてもらいそのまま店員に渡した。指輪の中にイニシャルが彫ってあるのに気づき、購入する指輪にも同じものを入れてくれることになったのだが妻が「○,○と入れていただけますか?」と言ったのだ。真っ青になる私。「もしかしたら、自分は二番目かもしれないと思っていたのよ。こんな機会を与えてくれてありがとう」と言う妻に申し訳なさが募った。私は精いっぱいの感謝をこめて2度目のプロポーズをした。妻は指輪を受け取ってくれた。床に投げ捨てることもできたのにそれをしなかった。あの結婚指輪を受け取った時からイニシャルが違っていることを分っていて耐え忍んでいたことを思うと自分の気まぐれに突き合せたことを後悔している。そもそも結婚してくれたことに感謝している。あの時妻が店員にイニシャルを伝えたとき、自分の頭には走馬灯が走ったのは言うまでもない。(I.A.)

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