両親の熟年離婚
ドロドロした調停離婚にまで至った悲しいものだった。原因のすべては父親にあった。母親が痩せていくのは嫌だったし、姉も妹も父親が好きだったから泣いてた。まぁ、オレは嫌いだったから早く終わればいいやと思っていた。はじめはそう思っていたけど、そうもいかなかった。やっと別居ができて喜んでいたら父親が毎日来て、インターホン鳴らすわけ。違反だよ。
弁護士に相談して対応策を考えてくれてひとまず落ち着いた。だけど犠牲になるのは子どもなんだなって思い知らされた。当時小学生だった妹たちは下校途中で拉致られそうになったし、姉は出勤中にやっぱり拉致られそうになった。コンビニに逃げ込んだり、同僚の車に乗せてもらったこともあったらしい。父親だって言えなくてちょっとおかしな人だったみたい的な事を言ってごまかした。こんな悲しいことねぇよな。男には手が出せなくて女には手を出せて、最低だった。裁判所に行く時も時間ずらしてあったのにしつこく待ち伏せ。父親の提出書類には虚が多くて弁護士は呆れてた。だから間違いなく離婚できるって聞いた瞬間喜んだ。でもそれであっちが黙っているとは思えず、一層身を引き締めたし、母親もほぼ家からでなくなった。
金はかかったけど、今は別れられて良かったと思ってる。母親は残念ながら未だに怯えているから辛いけれど、それでも良かったと思う。オレは今父親と連絡を取っている。手を出されたら今度こそ、母親は発狂するかもしれない。妹や姉の新しくできた家庭に踏み込んでくるかもしれない。孫を見せろとか言って。誰かが犠牲になるなんておかしいときれいごとを言われても別にどうでもいい。ただ、離婚を考えているなら、子どもが働くようになってからやってほしい。もしくは生まれる前に。熟年離婚ならなおさらだ。オレはそう思う。(K.J.)
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